糸リフトは、皮下に糸を通すことでリフトアップを実現できる施術です。また、糸リフトは皮膚を切開せずに受けられることから人気の施術となっています。しかし、皮膚を切開しない施術であっても、糸リフト後には回復期間にあたるダウンタイムがあります。こちらのコラムでは、糸リフトのダウンタイムが長い理由や、ダウンタイムを長引かせないための方法についてご紹介しています。
▶▶糸リフト
糸リフトのダウンタイムってどれくらい続くの?
糸リフトは皮下に糸を通すだけでリフトアップできる施術ですが、糸を通すことで、皮下組織は多かれ少なかれダメージを負います。
つまり、ダメージが回復する期間、ダウンタイムがあるということです。
それでは、ダウンタイム期間中の様子を時系列で追ってみることにしましょう。
施術直後~1週間目
糸リフトの施術直後~1週間目までは、患部とその周辺に目立った腫れや内出血が見られることがあります。
また、強い引きつれ感が現れることもあり、それに伴い口を開きにくくなります。
腫れや内出血については、糸という異物が入ってきたことで皮下組織がダメージを負い、その反応として現れ、現れ方については人それぞれです。
また、強い引きつれ感については、糸が組織に馴染んでいないことで起こります。
いずれの症状も、術後1週間が経過するまではやや強く現れることがありますが、これら症状はいつまでも続くものではありませんので、必要以上に心配しないようにしましょう。
さらに、施術直後には針痕が目立ち、顔全体に赤みが出ることがありますが、この状態は数時間後に治まります。
また、針痕に関してはしばらく目立つ可能性がありますが、時間の経過とともに目立たなくなりますので、心配はありません。
1週間~2週間目
術後1週間~2週間目は、腫れや内出血が治まり始めます。
ただし、内出血に関しては、赤紫色から黄色っぽくゆっくりと変化し、やがて自然な色に落ち着きます。
この変化の期間については、内出血の度合いによって差が生じ、内出血が強く現れた場合では、最終的に3週間程度かけて自然な色に落ち着くこともあります。
また、術後2週間が経過すると、糸が組織に馴染み始めるため、口を開きにくい状態が緩和されてきます。
この頃から、糸の周囲にはコラーゲンやエラスチンが産生され始めますが、表面的な効果はまだ実感できません。
3週目以降
術後3週間が経過すると、引きつれ感や口の開きにくさはほとんどなくなります。
また、施術直後からは、人によってはむくみが強く出ることで顔が大きく見えることがありますが、この状態も術後3週間が経過すれば、かなり軽減されます。
ただし、この時点ではまだ完成形ではありませんので、不用意な行動をとらないように注意することが大切です。
完成形は約2カ月後
腫れや内出血、引きつれ感、むくみなどの症状が治まってくると、それだけで完成したかのように思えることがあるかもしれません。
しかし、表面上は完成したかのように見えたとしても、皮下組織はまだ十分に再編成されていないため、まだ完成形には至っていません。
糸リフトが完成するまでの期間については、糸の種類や本数などによって異なりますが、およそ2カ月が経過すれば、そろそろ完成形になった、もしくは完成形に近づいたという認識で問題はないでしょう。
糸リフトのダウンタイムが長い理由
糸リフトのダウンタイム期間には個人差がありますが、挿入した糸の種類や本数に関わらず、長くても3週間以内には終了すると考えておけば問題はないでしょう。
ところが、3週間で終了するはずのダウンタイムが長引いてしまうケースも残念ながらあるのです。
では、その理由はどのようなところにあるのでしょうか。
糸の引き上げが強い場合
糸リフトは、コグというトゲのような突起が付いた糸を皮下に挿入してリフトアップする施術です。
しかし、まったく同じ糸をしようしてリフトアップしたとしても、医師によって仕上がりが異なることがあるのです。
そしてその理由として挙げられるのは、「糸の引き上げ具合が医師によって異なる」ということです。
糸の引き上げ具合については、お客様の現在の状態やご要望によって調節しますが、引き上げを強くする場合、術後の引きつれが強く見られ、長引くことがあります。
つまり、ダウンタイム自体も長引く可能性があるということです。
ダウンタイム期間中の注意事項を守らなかった
本来、糸リフトのダウンタイムはそれほど長いとはいえず、目立った症状は1週間程度で目立たなくなります。
しかし、ダウンタイム期間中の注意事項を守らなかった場合では、必要以上にダウンタイムが長くなってしまうことがあるのです。
それでは、ダウンタイムが長くなる原因について見ていきましょう。
患部に触れてしまった
糸リフトの施術後には、糸を挿入することで違和感が生まれ、それが気になって患部に゛触れてしまう方がいます。
しかし、糸の挿入直後の患部は非常に不安定な状態で、不用意に触れることで腫れや内出血、むくみ、引きつれ感が強くなることがあるのです。
それは、施術で皮下組織がダメージを負っているところへ外部から刺激を与えることで、より皮下組織のダメージが大きくなってしまうことがあるからです。
また、指で押す指圧やフェイスマッサージは、術後2カ月は控えていただく必要がありますので、十分な注意が必要です。
糸が組織に馴染む前に外部から刺激を与えてしまうと、ダウンタイムが長引くだけでなく、糸が外れる原因になることもあります。
血行を促進させる行動をとってしまった
糸リフト後の患部は、急速に回復に向かっていますが、この状態のときに患部のダメージが広がる行動をとってしまうと、回復しようとする力の妨げになり、ダウンタイムが長引くことになります。
中でも、血行を促進させる行動をとってしまった場合では、腫れや内出血が悪化するリスクが高まるだけでなく、傷口からの出血リスクも高まります。
血行を促進させる行動には、「熱いお湯でシャワーを浴びる」「術後1週間が経過する前に入浴で体を温める」「激しい運動をする」「飲酒する」などがあります。
口を大きく開いてしまった
糸リフトの施術当日から1週間が経過するあたりまでは、糸が組織に馴染んでおらず、口を開きにくい状態が続きます。
この状態は、糸リフトを受ければ必ず起こるものであるため心配はありませんが、会話や食事の際に不用意に大きな口を開けてしまうと、皮下組織が刺激を受けてダウンタイムが長引く原因になることがあります。
また、無理に口を開くことで糸が外れやすくなりますので、最低でも術後1週間以内は、できるだけ大きな口を開かないよう意識して過ごすことが大切です。
そしてもうひとつ、大きな口を開かなければならないという意味では、歯科治療も施術後1カ月が経過するまで受けられませんので、十分な注意が必要です。
糸リフト後のダウンタイムは短縮できる?具体的な方法をご紹介
糸リフトの施術を受けたら、できる限りダウンタイム期間中の注意事項を守って過ごしましょう。
また、事前の対策や術後の対策で、ダウンタイム期間を短縮することが可能です。
糸リフトのダウンタイムを少しでも短縮したいという方は、ぜひ参考にしてください。
糸リフトの実績がある医師による施術を受ける
糸リフトは医師の技術力やデザインセンスが反映されやすい施術だという話をしましたが、実は、医師の技術力の差で、ダウンタイム期間にも差が生じる可能性があるのです。
それは、技術力が高い医師に糸リフトを任せた場合では、最小限の処置で糸リフトを受けられるため、組織が負うダメージが少なくて済むからです。
つまり、ダウンタイム期間も短くなる可能性があるということです。
反対に、技術力が不足しており、糸リフトに不慣れな医師が施術を担当した場合では、糸の挿入位置を間違えたり、引き上げが強すぎたりすることで、ダウンタイムが長引く可能性があるのです。
糸リフトを受けようとお考えなら、できる限り糸リフトの実績がある医師に施術を任せるようにしましょう。
医師の実績については、美容外科の公式WEBサイトから確認できます。
また、医師が担当した糸リフトの症例写真や動画があれば、これらについてもあわせて確認しておいてください。
症例写真や動画を見れば、医師の技術力やデザインセンスについて大まかに把握することができますよ。
患部を冷やす
糸リフト後には腫れや内出血、むくみ、引きつれが見られ、施術直後から強い症状が出やすいのは腫れと内出血です。
また、腫れや内出血に伴い現れやすいのが、痛みや熱感です。
痛みについては、施術後に処方される痛み止めを服用することで緩和できますが、それでも施術2〜3日後に見られる腫れや内出血のピーク時には、強い痛みと熱感も現れることがあります。
そして、これらの症状の緩和対策として役立つのが、患部を冷やすということです。
なお、冷やしすぎは逆効果になりますので、痛みや熱感が出たときのみ、1時間に5分程度を目安として冷やすと良いでしょう。
日中はなるべく横にならないこと
糸リフト後にはむくみが出やすくなりますので、日中はなるべく上体を起こした状態で過ごしましょう。
それは、横になって過ごす時間が長いと、血液や水分が顔に集まりやすくなり、腫れやむくみが悪化することがあるからです。
どうしても横になりたいなら、ソファに寄りかかるなど、完全に横になってしまわない対策をすると良いでしょう。
【重要】おかしいと感じたら美容外科に相談
糸リフト後の引きつれや違和感は、3カ月以内にはほぼ気にならなくなります。
しかし、ごく稀ではありますが、術後3カ月が経過しても引きつれ感や違和感が改善されないこともあります。
このような状態は、何らかの異常が起こっている可能性が否定できませんので、直ちに美容外科を訪れて、適切な処置を受けておきましょう。
糸リフトならeクリニック金沢へ
今回は、糸リフトのダウンタイムについて詳しく解説してきましたが、いかがでしょうか。糸リフトは施術時間やダウンタイムが短くローリスクな小顔整形です。一昔前はエイジングケアをメインとして行われていましたが、ここ10年ほどは小顔にするために行われることが多くなりました。そのため、20代の方でも多く受けられています。
eクリニックでは、テスリフトをはじめ色々な糸リフトをご用意しております。カウンセリングを通してお客様の輪郭の皮膚の厚さ、たるみの状態や顔のバランスを見極めながら、最適な施術プランをご提案させていただきます。
糸リフトを検討中の方はぜひ一度当院の無料カウンセリングを受けてみてください。
eクリニックは金沢本院をはじめ、全国展開しています。ご予約はお近くのeクリニックまで。
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このページの監修医師
医師
円戸 望
経歴
・富山大学医学部医学科卒
・高岡市民病院(形成外科・麻酔科・皮膚科)
・Fort Wayne Parkview 病院
・厚生連高岡病院
・金沢医科大学付属病院
・湘南美容クリニック新宿本院
・湘南美容クリニック新宿南口院
・湘南美容クリニック新潟院 院長就任
・湘南美容クリニック金沢院 院長就任
・2020年eクリニック金沢院開院
・大手美容クリニック修正手術技術指導医
・2021年eスキンクリニック開院
・2022年富山院開院
・2023年まぶたのクリニック開院(保険診療)
・2023年大阪院、東京院、名古屋院、岡山院、
福岡院、那覇院、横浜みなとみらい院開院
医師(eクリニック統括技術指導医)
飯田 秀夫
経歴
・1992年 東京医科歯科大学医学部卒業
以降、同大学医学部付属病院、
国立がんセンターなどで頭頸部外科、
形成外科、美容外科を研鑽
・2007年 東京医科歯科大学臨床教授
・2009年 リッツ美容外科東京院
・2013年 リッツ美容外科東京院院長
・2014年 湘南美容クリニック
・2018年 湘南美容クリニック統括技術指導医/
辻堂アカデミア院院長
・2023年 eクリニック 横浜みなとみらい院
プロフィール
のべ300名以上の美容外科医の技術指導を行う。著書の「顔の美容外科手術書」(日本医事新報社)は美容手術の入門書として若手美容外科医の教科書となっている。
資格
日本形成外科学会専門医
医学博士(東京医科歯科大学)
所属学会
日本美容外科学会(JSAPS)
国際美容外科学会(ISAPS)