経結膜脱脂(切らないクマ取り)の知っておきたい術後の経過と注意点

経結膜脱脂で眼窩脂肪を取りだしている図解

美容整形にはあらゆる種類があり、手術や施術の方法、処理する部位の範囲や深さなどにより、回復スピードには差が生じます。今回ご紹介するのは、表面の皮膚を切開・切除したり、患部を縫合したりすることなく受けられる経結膜脱脂についてです。この手術は、数多い美容整形の中でも、回復スピードが速いことで知られています。今回は、経結膜脱脂の回復スピードや術後の経過、経結膜脱脂を受ける際の注意点についてのご紹介です。

▶▶目の下のたるみ取り

経結膜脱脂後の回復スピードについて

経結膜脱脂は回復スピードが速い美容整形として知られていますが、それは経結膜脱脂の方法に理由が隠されています。

経結膜脱脂後の回復スピードは速い!その理由とは

美容整形の中でも人気が高い目元整形には、皮膚を切開したり切除したりする種類と、これらを行わずに完結する種類に分類されています。
経結膜脱脂は後者の美容整形に該当し、前者の美容整形よりも回復スピードが速いという特徴があります。
では、その理由はどのような点にあるのでしょうか。

まず、皮膚を切開したり切除したりする場合では、皮膚や血管などが受けるダメージが大きい分、回復スピードが鈍いという特徴があります。
それに対して経結膜脱脂では、粘膜部分に穴を開けて眼窩脂肪を取り除く方法のため、皮膚の切開や切除を伴う手術よりも、回復スピードが速いという特徴があるのです。
それは、粘膜部分は表皮よりも新陳代謝スピードが速く、傷ができたとしても直ちに回復に向かう機能が働くためです。
とはいえ、経結膜脱脂後の回復スピードについては、お客様の年齢や体質などによって差が生じます。
つまり、回復までに少々時間がかかるケースもあるということですので、ケースバイケースだという認識を持っておくことが大切です。

経結膜脱脂後の経過をご紹介

経結膜脱脂後の経過を案内している看護師

経結膜脱脂は、皮膚の切開や切除を伴う手術よりも回復スピードが速いという特徴がありますが、それでもダウンタイム期間中には複数の症状が現れることがあります。
それでは、経結膜脱脂後に現れやすい症状と、術後の経過についてご紹介します。

腫れ、内出血、痛み、むくみ

目の下の脂肪取り(脱脂)とヒアルロン酸注入の3日後と1週間後の症例
考えられるリスク・副作用
だるさ・熱感・頭痛・痒み・浮腫・発熱等を生じる事があります。
なるべく、リスクや副作用が出ないように配慮して手術を行っています。

経結膜脱脂では、眼窩脂肪を引っ張り出して取り除くため、手術後には眼窩脂肪があった場所に空洞ができています。
つまり、眼窩脂肪を取り除くことで周辺組織がダメージを受けるということで、それによって毛細血管がダメージを受けると、内出血が起こります。
そして内出血が起こると、それに伴い表面には腫れが見られることになり、内出血の度合いが強いほど、腫れの度合いも強くなります。
なお、腫れや内出血の経過は、大まかに以下のようになります。

この症例は経結膜脱脂とヒアルロン酸注入を併用した3日後と1週間後の症例です。

手術直後~翌日

経結膜手術脱脂後の腫れや内出血は、直後から現れる症状です。
しかし、手術当日〜翌日までは、腫れや内出血よりも痛みが強く、少々辛い思いをする可能性があります。
粘膜部分は新陳代謝のスピードが速いとはいえ、できた傷が即座に治るということはありませんので、組織が落ち着き始めるまでの間は、多かれ少なかれ痛みが出ます。
とはいえ、痛みに関しては処方薬の痛み止めを服用することで緩和できますので、あまり怖がる必要はありません。
痛みに弱く術後の痛みが心配な方は痛み止めの服用とともに、なるべく安静にするなどして、ダウンタイムを乗り切りましょう。
ダウンタイム期間中の注意点は以下でもご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

術後2~3日目

出後2~3日目には、手術当日や翌日よりも強い腫れや内出血が出ます。
つまり、術後2すら3日目は、腫れや内出血がピークを迎えるということです。
手術当日や翌日よりも腫れや内出血が悪化すると、本当に治るのか心配になるかもしれません。
しかし、腫れや内出血は経結膜脱脂を受ければ必ずいっていいほど起こる反応ですので、ダウンタイム期間中に悪化したとしても心配はありません。
また、この時点ではまだ痛みもありますが、引き続き痛み止めの服用で緩和できますので、痛みが引くまであと少し頑張りましょう。

術後4~7日目

術後4~7日が経過すると、腫れや内出血はかなり引いて目立たなくなってきますが、今度はむくみが目立ってくることがあり、この状態はしばらく続くことがあります。
なお、術後7日が経過すれば、痛みはほとんど感じなくなります。

術後7~14日目

術後7日が経過すれば、ダウンタイムは終了と考えても差し支えありません。
しかし、内出血に関しては、まだ黄色っぽい色が残っていることがあります。
また、むくみも引いてはいませんが、日に日に回復に向かい、1カ月が経過したあたりでは、ほとんど目立たない状態にまで回復します。
なお、黄色っぽく残っている内出血に関しては、メイクをしてしまえばほとんど目立ちません。

経結膜脱脂の完成形はいつ?

腫れや内出血、むくみが目立たなくなると、そこで完成形に仕上がったかのような気になります。
実際、見た目も落ち着いた感じになりますので、そういった意味では完成形として捉えるというのも間違いではあません。
しかし、経結膜脱脂では、もともと存在していた眼窩脂肪を無理やり引っ張り出す処置を行うわけですから、患部のダメージは見た目以上で、内部組織はまだ回復途中にあります。
そのような理由から、外見上は完成形のように見えたとしても、組織はまだ不安定な状態だと考えておく必要があるということです。
なお、組織が落ち着いて完成形に仕上がるのは、術後およそ3カ月後と考えておけば問題はないでしょう。

経結膜脱脂のダウンタイムを短縮する方法はある?

考えられるリスク・副作用
だるさ・熱感・頭痛・痒み・浮腫・発熱等を生じる事があります。
なるべく、リスクや副作用が出ないように配慮して手術を行っています。

経結膜脱脂は、他の美容整形よりも術後に見られる症状が軽く、ダウンタイムが短いという特徴があります。しかし、ダウンタイム期間中の過ごし方次第では、症状が悪化したり、ダウンタイムが長引いたりすることがあるのです。
それでは、経結膜脱脂のダウンタイムをできるだけ短縮するための方法をご紹介しましょう。

ただ、こちらで紹介する対策方法は一例になります。術後の対策については、必ず医師に聞くようにしてください。

術直後の強い腫れや内出血にはクーリングで対応

経結膜脱脂では、強い腫れや内出血が現れにくいとされてはいますが、万が一、術直後に強い症状が現れたら、固まらないジェルタイプの保冷剤などで患部を冷やしましょう。
冷やす頻度は1日数回、1回当たり数分間を目安にしてください。
冷やしすぎは逆効果になる可能性がありますので、十分に注意しましょう。

なるべく患部に刺激を与えないこと

経結膜脱脂後には、表面上目立つ腫れや内出血が現れていなくても、内部組織はダメージを追った状態ですので、気になったとしてもなるべく触らずに過ごしましょう。
むやみに患部を刺激してしまうと、腫れや内出血ばかりか、痛みも増幅してしまうリスクが高まりますので、十分な注意が必要です。
なお、メイクは翌日から行えますが、その際にはかんたんなクレンジングで落とせるメイクに留めておいてください。
強いクレンジングを行ってしまうと、思いのほか患部に負担がかかりますので、十分に注意しましょう。

血行を促進させる行動を控える

術後の腫れや内出血は、血行を促進させる行動をとることで悪化することがあります。
たとえば、入浴で体を温める、運動する、飲酒するなどが該当する行動ですので、ダウンタイムが終了するまでは、これらの行動を控え、安静に過ごすことを心がけましょう。
なお、シャワーや洗顔は当日から行えますが、その際には患部を濡らさないように注意してください。

横になる時間を減らす

「なるべく安静に」と聞くと、横になってじっと動かずに過ごすものだというイメージがないでしょうか。
確かに、この状態も安静に過ごしていることにはなりますが、経結膜脱脂後の「安静に」では、なるべく横にならせず、状態を起こした状態で静かに過ごすことをいいます。
それは、横になる時間が長いと、血液や水分が患部周辺に滞留しやすくなり、腫れや内出血、むくみが悪化しやすくなるからです。
経結膜脱脂を含む目元整形で「安静に」という指導を受けたら、状態を起こした状態で静かに過ごすよう注意しましょう。

睡眠時の注意点

睡眠時の人間はとても無防備な姿勢になりますが、経結膜脱脂後には、睡眠時にも注意しなければならないことがあります。
それは、うつぶせ寝で患部に刺激を与えないということと、枕をやや高くして、患部に水分が滞留しないように注意するということです。
うつぶせ寝が習慣になっている方は、クッションで体を固定して休むなどの工夫が必要になるでしょう。

経結膜脱脂を受ける際の注意点

経結膜脱脂は向き・不向きがある整形で、向いていない方が手術を受けてしまうと、予想外のトラブルに驚くことがあります。
また、知識不足・技術力不足の医師が手術を担当したことで起こるトラブルもあります。ただ、医師が適切に処置をしたとしても体質やその日の体調により仕上がりが異なります。
それでは、経結膜脱脂で起こる可能性があるトラブルについてご紹介しましょう。

術後にたるみやシワが悪化する可能性

目の下に大量の眼窩脂肪が溜まっていて、なおかつ皮膚のたるみが目立つ方の場合では、経結膜脱脂で眼窩脂肪を取れ除くことで、術後にたるみやシワが悪化する可能性があります。
この場合では、たるみ除去の手術が必要になる可能性がありますので、まずは医師に相談してみましょう。

術後の変化があまり感じられないことも

眼窩脂肪の除去量が少なすぎた場合では、目の下のふくらみが改善されておらず、術後の変化があまり感じられないことがあります。
そうならないためには、入念なカウンセリングで、効果を実感できる眼窩脂肪の除去量を決めておくことが大切です。
このトラブルは、眼窩脂肪の量が比較的少ない方に起こりやすいと考えられています。
眼窩脂肪が少ない方の場合では、脂肪の再配置(ハムラ法)での改善がおすすめできる場合がありますので、まずは医師に相談してみましょう。

左右差が目立つ仕上がりになるリスク

人間の顔は左右対称ではなく、多かれ少なかれ左右差はあります。
しかし、眼窩脂肪の量に極端な左右差があった場合では、左右差に配慮した手術が行われなくてはなりません。
しかし、左右差に配慮するという概念がない医師が手術を担当してしまうと、左右差が目立つ仕上がりになることがあります。
経結膜脱脂を受ける前から左右差が気になっているという方は、その旨を医師に伝えておくことで、術後に起こることがある左右差のリスクを軽減できる可能性があります。

eクリニックのクマ取り治療の症例写真

目の下の脂肪取り(脱脂)とヒアルロン酸注入の3日後と1週間後の症例
考えられるリスク・副作用
だるさ・熱感・頭痛・痒み・浮腫・発熱等を生じる事があります。
なるべく、リスクや副作用が出ないように配慮して手術を行っています。
考えられるリスク・副作用
だるさ・熱感・頭痛・痒み・浮腫・発熱等を生じる事があります。
なるべく、リスクや副作用が出ないように配慮して手術を行っています。
考えられるリスク・副作用
だるさ・熱感・頭痛・痒み・浮腫・発熱等を生じる事があります。
なるべく、リスクや副作用が出ないように配慮して手術を行っています。
裏ハムラ法でクマを改善した症例
考えられるリスク・副作用
だるさ・熱感・頭痛・痒み・浮腫・発熱等を生じる事があります。
なるべく、リスクや副作用が出ないように配慮して手術を行っています。
表ハムラの他院修正と脂肪注入と埋没法の症例
考えられるリスク・副作用
だるさ・熱感・頭痛・痒み・浮腫・発熱等を生じる事があります。
なるべく、リスクや副作用が出ないように配慮して手術を行っています。
裏ハムラと脂肪注入の1か月後の症例写真
考えられるリスク・副作用
だるさ・熱感・頭痛・痒み・浮腫・発熱等を生じる事があります。
なるべく、リスクや副作用が出ないように配慮して手術を行っています。
円戸統括院長のインスタグラムの目元のバナー

経結膜脱脂はeクリニック

eクリニック金沢本院の外観

今回は、経結膜脱脂の術後の経過についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。
eクリニックは、ダウンタイムに配慮して経結膜脱脂を行っています。また、ヒアルロン酸注入や脂肪注入と併用して経結膜脱脂を行っています。目の下のクマやたるみが気になる方はぜひ一度カウンセリングにお越しください。

eクリニックは金沢本院をはじめ、全国展開しています。ご予約はお近くのeクリニックまで。

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このページの監修医師

医師

円戸 望

経歴

・富山大学医学部医学科卒
・高岡市民病院(形成外科・麻酔科・皮膚科)
・Fort Wayne Parkview 病院
・厚生連高岡病院
・金沢医科大学付属病院
・湘南美容クリニック新宿本院
・湘南美容クリニック新宿南口院
・湘南美容クリニック新潟院 院長就任
・湘南美容クリニック金沢院 院長就任
・2020年eクリニック金沢院開院
・大手美容クリニック修正手術技術指導医
・2021年eスキンクリニック開院
・2022年富山院開院
・2023年まぶたのクリニック開院(保険診療)
・2023年大阪院、東京院、名古屋院、岡山院、
     福岡院、那覇院、横浜みなとみらい院開院

美容外科医師の飯田秀夫

(eクリニック統括技術指導医)

飯田 秀夫

経歴

・1992年 東京医科歯科大学医学部卒業
 以降、同大学医学部付属病院、
 国立がんセンターなどで頭頸部外科、
 形成外科、美容外科を研鑽
・2007年 東京医科歯科大学臨床教授
・2009年 リッツ美容外科東京院
・2013年 リッツ美容外科東京院院長
・2014年 湘南美容クリニック
・2018年 湘南美容クリニック統括技術指導医/
     辻堂アカデミア院院長
・2023年 eクリニック 横浜みなとみらい院

プロフィール

のべ300名以上の美容外科医の技術指導を行う。著書の「顔の美容外科手術書」(日本医事新報社)は美容手術の入門書として若手美容外科医の教科書となっている。

資格

日本形成外科学会専門医
医学博士(東京医科歯科大学)

所属学会

日本美容外科学会(JSAPS)
国際美容外科学会(ISAPS)

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