鼻の整形に使用する「PDSプレート」って?

PSDプレートを説明する女性

PDSプレートとは

PDSプレートとは鼻中隔延長手術で使用する補強材です。PDSシートとも呼ばれます。

延長した鼻中隔を支えるために使用されます。PDS (Polydioxanone)という体内で溶ける素材でてきているため、1ヶ月から3ヶ月で体内に吸収されて無くなります。

PDSだけでなくPCL( Polycaprolactone)という素材でてきている場合もあります。

PDSプレートは使用しなくても問題ない!?

結論からお伝えすると鼻中隔延長手術でPDSプレートは使用しなくても問題ありません。

実際当院でも以前は使用していましたが、現在では使用していません。

鼻中隔延長手術の症例

鼻中隔延長手術の症例

この症例はPDSプレートを使用せずに鼻中隔延長手術をした3か月後の症例です。このようにPDSプレートを使用しなくても綺麗な鼻を作ることが可能です。

【この症例のリスク・副作用】
だるさ・鼻、顔の熱感・頭痛・痒み・むくみなどを生じることがあります。
鼻尖形成や鼻中隔延長手術をしたことにより、鼻尖が固定され手術前のように動かなくなるため、違和感を感じることがあります。 特に笑った時に気になる場合がございます。
鼻中隔に軟骨を重ねるため、鼻中隔が厚くなり、鼻の中の空気が通るスペースが狭くなります。
そのため鼻づまりが 起こりやすくなります。特に施術後は鼻の中の粘膜が腫れるため、鼻の通りが一層狭くなります。
経過と共に鼻の中の粘膜の腫れがおさまると改善されてきます。

PDSプレートのメリットデメリット

PSDプレートのメリットとデメリットを説明する看護師

メリット

PDSプレートのメリットは

①薄い

②曲がりがなく

③サイズも自由に選べると

といったように、自家組織の欠点を補うメリットがあります。

PDSプレートは単体では使われず、補強材として使用しますが、費用面で保存軟骨などの自家組織以外の他の補強材料と比較した場合、安価に手に入るというメリットもあります。

デメリット

一方PDSプレートには自家組織や他の人工物に比べて感染を起こしたり、体内に吸収される事による変形のリスクがあります。

PDSプレートはPDSやPCLを主成分とする素材なので1〜3ヶ月で体内に吸収されます。

鼻中隔延長の手術でPDSプレートを使用する場合、体内に吸収するまでの期間は型作り(補強材)の役割を期待して、吸収される時期には鼻の組織同士が癒着してPDSプレートがなくなっても問題がないようにしています。

保存軟骨の方が効果的

当院の過去の症例結果から

1.鼻先に移植する軟骨などの自家組織が採取しにくい場合

2.他の手術で使用しているため既に移植する軟骨が無い場合

3.移植する軟骨は採取できるけど強度や形の問題で使えない場合

などはPDSプレートではなく良質な保存軟骨を補強材料として使用した方が効果的で、低リスクという事がわかっています。

保存軟骨とはヒト肋軟骨由来の医療製品です。他人の肋軟骨を使用しますが、薬品で処理しているため感染症などのリスクがほとんどなく安全性が高いのも利点の一つです。

保存軟骨は現在、世界中で需要が高まっており価格も高価になっています。

また、耳軟骨が使用できる場合は耳軟骨をPDSプレートの代わりに使用することが可能です。その場合PDSプレート以上の補強効果が期待できます。

PDSプレートの有用性

保存軟骨を説明する女性

PDSプレートは使用する量、場所、術中の出血量のコントロールによっては手軽に良い効果を発揮する為、有用性はあると考えます。

ただ、その使用方法や塩梅は執刀医としての熟達した経験が必要で、万が一のトラブルにも直ぐに対処出来る環境が必要です。実際PDSプレートを有効かつ安全に使用している美容外科医も多くいます。

PDSプレートは手軽に使えるけど扱いが難しいため、鼻中隔延長術などの他院修正の経験が豊富な上級者の執刀医が使用すべき素材だと感じます。

当院では全国各地からのお客様が多く、万が一の場合、ご来院に時間がかかってしまう事が予測されるので現在は使用しておりません。

また保存軟骨の品質向上に伴い使用する必要がなくなっています。

eクリニックは金沢本院をはじめ、全国展開しています。ご予約はお近くのeクリニックまで。

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このページの監修医師

医師

野原 淳司

経歴

2006年 富山大学医学部卒業
     富山大学附属病院研修医
               金沢大学附属病院麻酔科
               厚生連高岡病院麻酔科
               高岡市市民病院麻酔科集中治療科部長

2021年 現職

資格

日本医師会認定産業医
麻酔科標榜位
麻酔科専門医
麻酔科指導医

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