眼瞼下垂手術後に起こり得ることは?医師が徹底解説!

眼瞼下垂は加齢やコンタクトレンズの長期間の使用などが原因で上まぶたが垂れ下がり、目がうまく開けなくなる病気です。
そして眼瞼下垂が重度になるとまぶたが視界の一部を塞いでしまうこともあるのですが、まぶたの垂れ下がりは手術で改善できます。
一方で手術後はいくつかの不調が生じる可能性もあります。
今回は眼瞼下垂手術の後にどのような症状が起こりえるかご紹介しています。術後に出る副作用は個人差があります。このページで紹介している副作用は極稀に起こりえる事も紹介しているため、実際にどのような症状が起こりえるかは手術前に医師にご確認ください。

眼瞼下垂手術後の腫れの目安

◆術後~1週間
まだ腫れが強い期間です。むくみを感じたり目やにが増えたりします。
腫れ・内出血により一時的に二重の幅が広くなったり、二重の幅に左右差が生じることがあります。
まれに、視界がぼやけて見える時期がありますが、角膜の腫れが影響していると考えられますので腫れが落ち着くと共に改善されます。


◆1~2週間
1週間後に抜糸し、メイク可能が可能となります。
腫れや傷はありますが、人によっては人前に出られる程度になります。
(腫れの引きには個人差があります。)


◆2~4週間
7~8割腫れは治ります。
傷が硬くなり(拘縮)1ヶ月目より少し赤く目立つ様になります。


◆4~12週間(1~3ヶ月)
傷と残りの腫れが治っていきます。
完成度は90%程になります。まだ目の開きが悪いこともあります。


◆12~24週間(3~6ヶ月)
完成に近づきます。

なるべく腫れが出ないように手術を行う事も可能

眼瞼下垂の術後の経過

この症例写真は、術前と術後7日後と術後30日、術後90日の症例写真です。眼瞼下垂と全切開、それに目頭切開。タレ目形成、目尻切開を同時に行った複合手術の症例です。これだけ手術後行いましたが、術後7日の腫れは控えめです。術中の工夫で、できる限り腫れが無いように手術を行うことは可能です。目を開いているときだけでなく、目を閉じたときも自然になるように手術を行っています。

眼瞼下垂手術後にどんな不調が起こり得る?

眼瞼下垂手術の後はまぶたが腫れる、目がゴロゴロするなどの不調が起こる場合があります。
まぶたや視界の不調のほとんどは一時的なもので術後何週間か経過すると治まってきます。
しかし不調によっては修正のための手術が必要になる可能性もあります。
術後の副作用などの症状には個人差があります。当院ではなるべく腫れや内出血などの副作用が出ないように丁寧に眼瞼下垂の手術を行っています。
ごく稀に出る症状もご紹介しています。

まぶたが腫れる

眼瞼下垂手術で麻酔薬を注入したり糸と針を通したりした影響で、手術を終えたばかりの頃はまぶたが腫れる傾向にあります。
腫れの程度はそれほど大きなものでなく泣いた後のように見える程度であり、術度1週間程度で治まることが多いです。

内出血を起こす

切開したり糸を留めたりした部分を中心に、青色あるいは紫色の内出血が生じる場合があります。
内出血の程度については手術のやり方などによって差が出ますが、徐々に色が薄くなり長くとも1ヶ月程度で目立たなくなる場合が多いです。

涙目になる場合がある

術後は目が開きやすくなることで日光や蛍光灯の光が眩しく感じられます。
そして眩しさによって涙が出やすくなる場合があります。

ドライアイになる場合がある

眼瞼下垂手術によってまぶたが開きやすくなるとその分眼球の露出面積が増え、目が乾きやすくなります。

目やにが出る場合がある

手術で目に負担がかかったことにより、目の防御機能が一時的に活性化して目やにが出やすくなることがあります。
しかし1ヶ月程度経過すれば目やにが治まる場合が多いです。

まぶたが閉じにくくなる場合がある

眼瞼下垂手術を受けるとまぶたが開きやすくなりますが、目を閉じるのが難しくなる場合があります。
人によっては眠っている時でもまぶたが少し開いている状態になることもありますが、明らかな過矯正がみとめられる場合は修正のための手術が実施されます。

左右差が出る場合がある

片目だけ眼瞼下垂手術を受けた場合に手術した方の目とそうでない目と見比べて差が感じられる場合があります。
そして両目同時に眼瞼下垂手術を受けた場合も、手術から間もない時期は腫れの程度に差が生じて左右の目の形が違うように見えたり、二重の幅が両目で異なって見えたりする可能性があります。
手術から日数が経過することで徐々に左右の目の大きさ、形がそろってきますが、術後何週間経っても左右差が気になるという場合は修正手術が検討されることがあります。

なお、元々左右でまぶたを持ち上げる力に差がある方もいます。
そうした方が眼瞼下垂手術を受けると、医師が左右の目のバランスを見ながら手術をしても目の大きさや形に左右差が生じる可能性があります。
こうしたケースでは術後何週間か経過することで左右差がより顕著になる傾向にあるため、気になる場合は修正手術が行われます。

まぶたの感覚がなくなる場合がある

顔にはあらゆる神経が通っているのですが、眼瞼下垂手術によってまぶたを切開すると顔面を通っている神経の末端が損傷します。
その影響で術後しばらくまぶたがしびれて感覚がなくなる可能性があるのです。
しかし術後3~6ヶ月程度経つとまぶたの感覚が戻ってくる傾向にあります。

皮膚の感覚が戻るまでの間まぶたのしびれが気になって日常的に目元を指で触ったり皮膚を引っ張ったりする方もおられますが、まぶたの組織にダメージが加わる原因となるのでやめましょう。

つっぱった感じがする場合がある

術後まぶたが腫れることで目元がつっぱっているように感じられることがあります。
また手術のやり方によってはまぶたの皮膚を一部切除する場合もあるので、切除部分に周りの皮膚が寄せられることで術後一時的につっぱり感が生じることもあります。

目がゴロゴロする場合がある

術後患部が腫れることで眼球が圧迫されると目がゴロゴロすることがあります。
加えて手術時に組織を糸で縫い合わせた影響で眼球が圧迫されて異物感に繋がることもあります。
なお目がゴロゴロする感覚は2週間程度で気にならなくなることが多いです。

ちなみに、術後の腫れの影響で眼球が圧迫されると角膜の形状も変化して視界がぼやける場合があります。
しかし多くの場合は術後3ヶ月程経過すれば目の見え方が元通りになります。

再びまぶたが垂れ下がる場合がある

手術を終えた後再びまぶたが垂れ下がる症状が現れる場合があります。
原因としては、まぶたをこするなどして刺激を加えた時に腱膜がゆるんでしまうことが挙げられます。

またまぶたが開きにくい手術前に目を開こうとして前頭筋の力を使っていた場合、手術後に前頭筋を使わなくなったことで筋肉がゆるみ、その影響でまぶたが垂れ下がってしまうこともあります。当院ではこのような事が無いように配慮して手術を行っています。

二重が三重になる場合がある

元々二重まぶただった場合、眼瞼下垂手術後に三重になることがあります。
皮膚を切除する手術を実施した時に施術範囲が少な過ぎた場合や、術後に皮膚がたるんだ場合に三重になるケースがあります。当院では三重にならないように丁寧に手術を行っています。

糸が露出する場合がある

糸を使った施術を受けた後、目をこするなどした時に留めた糸が切れて外側に露出するケースがあります。
そして糸が露出したまま何日も過ごすと糸の切れ端が眼球やまぶたを傷付けてしまう恐れがあるので、早めに診察を受けることを推奨します。
また糸を気にして引っ張ったりするのは避け、必ず医師の処置を受けましょう。

眼瞼下垂手術後に気を付けることは?

眼瞼下垂の手術後に気を付ける事を説明する看護師

手術後はダウンタイムを経て徐々に目元の状態が良くなります。
そんな中良好な経過を迎えるためにはまぶたへの刺激を避けるなどして目をいたわる生活を送る必要があります。

ダウンタイム中は入浴を控える

バスタブにつかると全身の血のめぐりが良くなります。
そうなると患部の腫れが悪化したり長引いたりするリスクが高くなってしまいます。

そのため腫れが治まるまでの間はバスタブにつかることを避け、入浴はシャワーのみで済ませることをおすすめします。
シャワーだけの入浴や洗顔は眼瞼下垂手術の翌日から許可される場合が多いですが、お湯や水が患部に触れるのをなるべく避けるのが望ましいです。
また髪を洗う際はシャンプーが患部に垂れてこないように注意しましょう。どのくらいで入浴できるかは医師にご相談ください。

飲酒を控える

アルコールには体を温めたり血行を促進させたりする作用があります。
そのためアルコールを摂取すると目元の血行も良くなってしまい、腫れや内出血がひどくなる恐れがあります。
そのため術後の経過を良好なものにするためには術後の飲酒を控えましょう。
飲酒・喫煙は手術後1週間は中止してください。その後もむくみや腫れ、傷の治りの遅れとなる為1ヶ月はなるべくお控えください。
職場の飲み会も欠席するか、ノンアルコールのドリンクを飲むのが望ましいです。

スポーツをしない
体を動かすことで血行が良くなるとまぶたの腫れが悪化する可能性があります。
ダウンタイムを長引かせないためには、術後しばらく激しいスポーツを控えましょう。

またスポーツによって頭や額に汗をかくとその汗がまぶたに触れ、傷口の治りを悪くする恐れがあります。
そういった点においても術後はご自宅で安静に過ごすことが望ましいです。
普段スポーツをしているという方もダウンタイムが終わるまでは軽いストレッチやウォーキング程度にとどめましょう。
体を動かさないとストレスが溜まってしまうという場合は何かご自宅で行える趣味に励むことをおすすめします。

目を刺激しない

目元を指で触れたりこすったりすると腫れが悪化したり縫合時に留めた糸が切れたりする恐れがあります。
また場合によってはまぶたの組織がダメージを受け、眼瞼下垂が再発してしまうケースもあるのです。
そのため術後は目に刺激を与えるような行動を避けてください。

なおアイメイクも患部への刺激となるので術後間もない時期は控えましょう。
目元のメイクは抜糸を終えたタイミングで可能になることが多く、またメイクが許可されればまぶたの傷跡をファンデーションで隠すこともできるようになります。
一方まぶたの状態によっては抜糸が済んでもメイク解禁がもう少し先になる可能性があるので、担当医師に必ずメイクの可否を確認した上でアイラインやマスカラを使いましょう。
またメイクの許可が下りていない時期にまぶたの傷をごまかしたいという時は、縁が太めの眼鏡やサングラスで目元を隠して外出することをおすすめします。

コンタクトレンズの使用を控える

術後はコンタクトレンズの使用を控えることを推奨します。
術後何日目からコンタクトが使えるようになるかは手術の方法やまぶたの状態によりますが、2週間~1ヶ月はコンタクトを使わないよう医師に指示される場合が多いです。
術後は腫れも生じているため、通勤時、通学時は眼鏡を使用することがお勧めです。術後、どのくらいでコンタクトレンズを使用できるかは、事前に医師にご相談ください。

処方された薬をきちんと使用する

術後は抗生剤などの薬が処方されます。
順調な経過を迎えるためには薬を指示されたタイミングで使用しましょう。

目元を冷やす

ダウンタイム中はまぶたの腫れや痛みが気になることがあります。
痛みに関してはクリニックで処方される痛み止めを服用することで対処できますが、目元を冷やすと腫れ、痛みが緩和する場合があります。
患部を冷やす際は保冷剤やビニール袋に入れた氷をタオルでくるんで目元にあてましょう。

なお、保冷剤や氷入りのビニール袋を直接まぶたにあてるのは凍傷の原因となるのでおすすめできません。
また1日の間に何度も目元を冷やすのもまぶたに負担を与えてしまうのであまり推奨できません。
冷やす回数は5回前後にとどめましょう。
もし尋常でない腫れがみられる場合は医師に相談することをおすすめします。

眼瞼下垂手術後はどのぐらいで仕事に復帰できる?

仕事をしている女性

多くの場合術後1週間程度で抜糸が行われます。
そして術後良い経過を迎えるためには少なくとも抜糸が済むまでの間は飲酒など生活習慣に配慮することが必要です。
腫れに関してもまったく気にならなくなるまでは2週間から1ヶ月前後かかる傾向にあり、1週間程度は人から見てもまぶたが腫れているのがわかる可能性があるので、眼鏡をするなどしてごまかすことがお勧めです。
ただ、当院ではなるべく腫れないように手術を行っています。まぶたに留めた糸や腫れを気にしないという方の場合は、眼瞼下垂手術の翌日から通勤・通学する方もいらっしゃいます。
職場にどのくらいで復帰できるかは個人差もあるため、事前に医師にご相談ください。

眼瞼下垂の治療ならeクリニックへ

eクリニック金沢院の内装

眼瞼下垂の症状でお悩みならeクリニックにお越しください。美容整形の先進国である韓国にも院長自ら足を運び手術の手技の情報交換を行っています。二重のラインが定まらなかったり、目が開きづらかったりする場合など、様々なお悩みにお答えすることが可能です。目の開きづらさだけでなく見た目の美しさも重視して治療を行います。

eクリニックは金沢本院をはじめ、全国展開しています。ご予約はお近くのeクリニックまで。

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このページの監修医師

円戸統括院長

医師

円戸 望

経歴

・富山大学医学部医学科卒
・高岡市民病院(形成外科・麻酔科・皮膚科)
・Fort Wayne Parkview 病院
・厚生連高岡病院
・金沢医科大学付属病院
・湘南美容クリニック新宿本院
・湘南美容クリニック新宿南口院
・湘南美容クリニック新潟院 院長就任
・湘南美容クリニック金沢院 院長就任
・2020年eクリニック金沢院開院
・大手美容クリニック修正手術技術指導医
・2021年eスキンクリニック開院
・2022年富山院開院
・2023年まぶたのクリニック開院(保険診療)
・2023年大阪院、東京院、名古屋院、岡山院、
     福岡院、那覇院、横浜みなとみらい院開院

医師

山崎 俊

経歴

2004年 金沢大学医学部 卒業
2004年 慶應義塾大学 形成外科 助手
2004年 琉球大学医学部形成外科 医局長
2004年 東邦大学医療センター形成外科 医局長

資格

日本形成外科学会外科専門医
再建・マイクロサージャリー分野指導医

所属学会

日本形成外科学会

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