口角挙上はボトックスでも可能?手術との違いを医師が解説

口角をキュッと引き上げて若々しい印象になれる口角挙上は、幅広い年代の方に人気の口元整形です。しかし、皮膚を切開する手術ということから、傷跡が心配で受けられないという話も耳にします。
それなら、皮膚を切開しないボトックスで口角挙上を検討してみてはいかがでしょうか
こちらのコラムでは、ボトックスで口角挙上を行える仕組みや、ボトックスと口角挙上術の違いについて医師が解説しています。

▶▶口角挙上

目次

ボトックスとは?口角挙上を行える仕組みとは

ボトックスは皮膚を切開せずに受けられるプチ整形に分類され、ダウンタイムもほとんどありません。
それではまず、ボトックスとは何か、そして、注射1本で口角挙上を行える仕組み、ボトックスのメリット・デメリットから見ていきましょう。

ボトックスとは

ボトックスとは、アラガン社が提供する製剤で、筋弛緩作用によって筋肉の働きを弱める働きを持っています。
また、汗腺働きを弱める作用も持っていることから、脇汗対策として用いられることもあります。
なお、アラガン社以外の製剤はボツリヌストキシン製剤と呼ばれていますので、知識として頭に入れておきましょう。

注射1本で口角挙上を行える仕組み

ボトックスは、薬剤を口角に注入後、2~3日目あたりで効果が現れてきます。
口の周りには、口角挙筋をはじめ、口角下制筋や大顎骨筋などの筋肉が存在しています。
また、頬筋や笑筋といった表情筋もあり、これらの筋肉がそれぞれの役割を果たすことで、あらゆる表情がつくられます。
つまり、これらの筋肉は表情をつくる上でなくてはならない筋肉だということですが、筋肉の働きが強すぎると、意に反した表情がつくられてしまうことがあるのです。

ご紹介した筋肉のうち、口角を下方に引っ張る作用を持つのは口角下制筋で、この筋肉の働きが強いと、口角が下がって不機嫌な印象や老けた印象になってしまうことがあります。
しかし、口角下制筋の働きを抑制するボトックスを注入すれば、口角を下方に引っ張る力が弱まって、自然に口角が上がる効果が生まれるのです。

ボトックスのメリット・デメリット

並べられているボトックス

ボトックスによる口角挙上のいたばんのメリット、それは注射のみで施術が完了し、ダウンタイムもほとんどないという点にあります。
また、傷跡ができないという点もメリットとして挙げることができるでしょう。
しかしその一方で、ボトックスには効果持続期間が短いというデメリットがあるのです。
効果の持続期間については個人差がありますが、数か月間で消失すると考えておく必要があるでしょう。
さらに、左右差が出やすいというデメリットもありますので、ボトックスによる口角挙上をお考えなら、ボトックスに定評がある医師を選んで施術を受けることが重要です。
なお、ボトックスは筋肉のみに作用する施術ですので、皮膚のたるみで口角が下がっている状態には対応できません。

口角挙上術とは?ボトックスとの違いもご紹介

口角挙上術は、ボトックスのようなプチ整形ではなく、皮膚を切開したり筋肉に手を加えたりする手術です。
それでは、口角挙上の概要や、メリット・デメリットについてご紹介しましょう。

口角挙上術とは?特徴をご紹介

口角挙上の他院修正の症例
考えられるリスク・副作用
腫れ・内出血・術後の痛み・発熱等を生じる事があります。
なるべく、リスクや副作用が出ないように配慮して手術を行っています

口角挙上術とは、口角部分の皮膚を切開し、余分な皮膚を切除したり口輪筋を切除したりすることで、口角が上がった口元を形成できる手術です。
また、口角挙上術では、加齢による筋肉の緩みや皮膚のたるみで口角が下がっている方や、筋肉の働きが強すぎることで口角が下がっている方への対応が可能です。
つまり、年代を問わず効果を得やすい手術だということです。

口角挙上術のメリット・デメリット

考えられるリスク・副作用
腫れ・内出血・術後の痛み・発熱等を生じる事があります。
なるべく、リスクや副作用が出ないように配慮して手術を行っています

口角挙上術のいちばんのメリット、それは一度手術を受ければ、効果が半永久的に持続するという点にあります。
また、筋肉の引き上げだけでなく、たるんだ皮膚の切除を行えますので、根本から若々しい口元を形成できるというメリットもあります。
しかしその反面、表面から皮膚を切開することで傷跡が残りやすい、ダウンタイムがあるといったデメリットもあるのです。
傷跡に関しては、術後数カ月が経過すればほぼ目立たない状態にはなりますが、完全に消えることはありません。

当院では傷跡が目立たないように丁寧に手術をおこなっているため、6ヶ月経つと、このように傷跡はほとんどわかりません。
さらに、口角挙上術は難易度が高い手術であるため、医師選びで失敗すると、思うような効果を得られない可能性もあります。

選ぶならどっち?口角挙上の選び方

今回は、口角挙上を行える2種類の方法をご紹介してきました。
上記でお伝えした通り、ボトックスにも口角挙上術にも、それぞれにメリット・デメリットがあります。
どちらにしようか迷ったら、まずはそれぞれの特徴や効果、メリット・デメリットについてよく考え、検討を進めてみると良いでしょう。
また、2種類の口角挙上には、それぞれに向きや不向きがありますので、以下でご紹介する内容についても参考にしていただき、いずれかを選択すると良いでしょう。

ボトックスが向いている方

ボトックスによる口角挙上が向いているのは、以下に該当する方です。

手術が怖い方

「綺麗になるためなら手術なんて平気!」と思える方なら問題はありませんが、特に美容整形が初めての方では、皮膚を切開する手術を怖いと感じることがあるでしょう。
でも、口角を引き上げたい。そのような方には、ひとまずボトックスで口角挙上を受けておいて、その後に口角挙上術を受けるかどうかを検討するという方法がおすすめできるでしょう。

絶対に傷跡を残したくない方

ボトックスは注射のみで完結する施術ですので、傷跡が残ることはありません。
施術直後には注射針の痕がやや目立つことがありますが、その痕は数日間でなくなります。
つまり、口角挙上で絶対に傷跡を残したくない方に向いているのが、ボトックスだということです。

とりあえず口角挙上を受けてみたい方

上記でも触れましたが、ボトックスの効果は短く、数か月で消失すると考えておくのが妥当で、この部分はデメリットとして考えられます。
しかし逆に考えるのなら、時間の経過とともに元の状態に戻るわけですから、とりあえず口角挙上を受けてみたいという方にはおすすめできるということになります。
手術は怖い、でも口角挙上には興味あるという方は、いきなり口角挙上術を受けるのではなく、ボトックスでシミュレーションをしておいて、その後どうするのかについて検討するというのもひとつの方法でしょう。

定期的に通院できる方

ボトックスの効果は数か月後には消失しますので、そのタイミングで再度施術を受ける必要があります。
そして、ボトックスによる口角挙上を維持したいと考えるなら、このループがいつまでも続きます。
つまり、ボトックスによる口角挙上は、定期的に通院できる方に向いているということです。

ダウンタイムがほぼない口角挙上を受けたい方

ボトックスでは、ダウンタイムがまったくないということではありませんが、あったとしても2~3日程度で済みます。
その際に現れやすい症状は腫れと内出血で、ボトックスの注入量やお客様の体質によって、症状の現れ方には差が生じます。
とはいえ、ボトックスは手術のように数週間のダウンタイムはありませんので、ダウンタイムのお休みを取れないけれど、口角挙筋は受けたいという方にはおすすめの施術だといえるでしょう。

口角挙上術が向いている方

考えられるリスク・副作用
腫れ・内出血・術後の痛み・発熱等を生じる事があります。
なるべく、リスクや副作用が出ないように配慮して手術を行っています

口角挙上術は手術ですので、しっかりとした口角挙上効果を得たい方におすすめです。
また、以下に該当する方は口角挙上術が向いています。

根本から口角を引き上げたい方

人中短縮と外側人中短縮と口角挙上とM字リップを同時に行った症例の図解
考えられるリスク・副作用
腫れ・内出血・術後の痛み・発熱等を生じる事があります。
なるべく、リスクや副作用が出ないように配慮して手術を行っています

口角挙上術では皮膚や皮下組織に手を加えることになりますが、その分、得られる効果は絶大です。
つまり、根本から口角を引き上げたいとお考えの方に向いているということです。

1回の手術で半永久的な効果をお望みの方

手術を何回も受けなければならないとなると、それだけで大きなストレスを感じてしまう可能性があります。
しかし、口角挙上術は1回の手術で効果を得ることができ、しかもこの効果は半永久的に維持できます。
つまり、1回の手術で口角の引き上げ効果を実感したい方は、口角挙上術が向いているということです。

他の手術や施術との併用をお考えの方

口角挙上と小鼻縮小と人中短縮とM字リップの症例写真
考えられるリスク・副作用
腫れ・内出血・術後の痛み・発熱等を生じる事があります。
なるべく、リスクや副作用が出ないように配慮して手術を行っています

口角挙上術は単独で行える手術ですが、より理想的な口元を目指したい場合では、他の手術や施術との併用が可能です。
たとえば、唇のボリュームが足りないと感じている方の場合では、口角挙上術+ヒアルロン酸注入で対応できます。
また、口元と鼻のバランスを整えたいという場合では、口角挙上術+鼻整形で対応することも可能です。
このように、口角挙上術はその他の手術や施術との組み合わせが可能な手術ですので、複数の組み合わせで理想の顔を目指したい方にも向いている手術だといえるでしょう。

ダウンタイム期間中のお休みをとれる方

口角挙上のダウンタイム表

口角挙上術では、目立つ腫れや内出血が1週間程度続き、これらの症状が目立たなくなるまでには2週間以上かかることもあります。
特に術後1週間以内は、かなり強い腫れや内出血が見られることがありますので、この間はできる限り安静に過ごすことが大切です。
そのような理由から、口角挙上はダウンタイム期間中お休みをとる方に向いている手術だといえるでしょう。

総合的評価では口角挙上術がおススメ

ボトックスと口角挙上術には、それぞれに見逃せないメリットがあります。
しかしその一方で、どちらの方法にもデメリットがあるため、どちらにするのかについての選択は悩ましい限りでしょう。
しかし、ダウンタイムはあるものの、「1回の手術ではっきりとした効果を得られる可能性が高い」、「半永久的な効果を期待できる」という点で考えるのなら、ボトックスよりも口角挙上術のほうがおすすめできそうです。
どちらがご自身に向いているのかの判断が難しいという方は、ひとまずカウンセリングを受けてみて、医師の見解を仰いでみてはいかがでしょうか。

口角挙上のボトックスならeクリニックへ

金沢院の外観

ボトックスの取り扱いがある美容外科が多いため、医師選びの段階で迷うことがあるかもしれません。
名医に出会うためにはeクリニックも視野に入れて、クリニック選びを行ってみてください。
eクリニックには、ボトックスの施術を積極的に行っており、口角挙上のボトックスも丁寧に行っています。
気になる方は、まずはカウンセリングを受けてみてくださいね。

eクリニックは金沢本院をはじめ、全国展開しています。ご予約はお近くのeクリニックまで。

このコラムに関連する施術&料金

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このページの監修医師

医師

円戸 望

経歴

・富山大学医学部医学科卒
・高岡市民病院(形成外科・麻酔科・皮膚科)
・Fort Wayne Parkview 病院
・厚生連高岡病院
・金沢医科大学付属病院
・湘南美容クリニック新宿本院
・湘南美容クリニック新宿南口院
・湘南美容クリニック新潟院 院長就任
・湘南美容クリニック金沢院 院長就任
・2020年eクリニック金沢院開院
・大手美容クリニック修正手術技術指導医
・2021年eスキンクリニック開院
・2022年富山院開院
・2023年まぶたのクリニック開院(保険診療)
・2023年大阪院、東京院、名古屋院、岡山院、
     福岡院、那覇院、横浜みなとみらい院開院

美容外科医師の飯田秀夫

(eクリニック統括技術指導医)

飯田 秀夫

経歴

・1992年 東京医科歯科大学医学部卒業
 以降、同大学医学部付属病院、
 国立がんセンターなどで頭頸部外科、
 形成外科、美容外科を研鑽
・2007年 東京医科歯科大学臨床教授
・2009年 リッツ美容外科東京院
・2013年 リッツ美容外科東京院院長
・2014年 湘南美容クリニック
・2018年 湘南美容クリニック統括技術指導医/
     辻堂アカデミア院院長
・2023年 eクリニック 横浜みなとみらい院

プロフィール

のべ300名以上の美容外科医の技術指導を行う。著書の「顔の美容外科手術書」(日本医事新報社)は美容手術の入門書として若手美容外科医の教科書となっている。

資格

日本形成外科学会専門医
医学博士(東京医科歯科大学)

所属学会

日本美容外科学会(JSAPS)
国際美容外科学会(ISAPS)

医師

山崎 俊

経歴

2004年 金沢大学医学部 卒業
2004年 慶應義塾大学 形成外科 助手
2004年 琉球大学医学部形成外科 医局長
2004年 東邦大学医療センター形成外科 医局長

資格

日本形成外科学会外科専門医
再建・マイクロサージャリー分野指導医

所属学会

日本形成外科学会

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