鼻の再手術・修正はリスクが高い?美容外科医が解説

鼻の再手術(他院修正)の症例

今回は鼻の美容整形後の鼻の再手術のリスクの高さとその修正手術の方法をご紹介します。

他院で行った鼻整形で失敗したと思われている方や、一度鼻整形をしたけど再度鼻整形をやりたいとう方にとって非常に有益なコラムになっています。もちろんこれから鼻整形を受けられる方の事前の情報としても有効です。

まずは、eクリニック(金沢、富山)で行った他院修正のための鼻の再手術の症例をご紹介します。

Eラインを作る鼻の他院修正の症例
柔らかいストレートな鼻にした修正症例
鷲鼻を治した修正症例
鼻先の下垂を治した修正症例
鼻先が沈んだ鼻の他院修正の症例
軟骨移植の他院修正の症例
鼻整形の他院修正の症例
肋軟骨で行った鼻の再手術
細菌感染の拘縮で低くなった鼻の修正の症例

上記は当院の鼻の再手術の修正の症例の一例です。

鼻の修正手術の方法

鼻の再手術のリスクや修正手術の方法は、望む変化(下記の❶〜❾)と鼻の状態(下記の①or②)の組み合わせによってかなり異なります。一つひとつ丁寧に説明していきます。

鼻の再手術で望む変化

鼻の再手術で臨む変化を9つに分類しました。
❶さらに高くしたい
➋低くしたい
➌下向きにしたい
➍アップノーズにしたい
❺軟骨が浮き出ているのを治したい
❻鼻先が硬いのを治したい
❼鼻の曲がりを治したい
❽鼻の太さを治したい
❾感染し拘縮した鼻を治したい

現在の鼻の状態

鼻の状態を大きく2つに分類しました。
①鼻中隔延長済み
②延長なしまたは延長してあるけど弱い延長

望む変化と鼻の状態を掛け合わせて分類

鼻の断面図

場合によってはリスクが高く、場合によっては初回のオペよりリスクは低いのは、
全て場合分けせずに
①×❶~➌
①×➍~❻
①×❼~❾
②×❶~❺
②×❻~❾
のように分類してまとめれると思います。

リスクと難易度を分類

初回手術の鼻中隔延長の手術を


リスク★★☆☆☆
難易度★★☆☆☆


初回の手術の鼻中隔延長なしの手術を


リスク★☆☆☆☆
難易度★★☆☆☆


という基準で記載します。

①=鼻中隔延長済みで十分に支持力がある

パターンA ①×❶〜❷

リスク★☆☆☆☆
難易度★☆☆☆☆

高さを出す場合は元々できたら土台の上に軟骨を足す事で容易に高さを出す事が可能。
低くする場合は乗せてある軟骨を除去するまたは延長された鼻中隔削る
軟骨が2枚重ねになってる場合は1枚又は2枚除去
鼻中隔を削って軟骨を乗せ直す場合もある
鼻中隔軟骨は基本的に削って再利用する。取り替えを推奨するクリニックもあるが、取り替えたり、せっかく癒着している鼻中隔部分を剥離する事により、血腫や雑菌が繁殖するスペースを作りリスクを負う事になるので必要最低限の剥離で行う。

パターンB ①×❸〜❹


リスク★☆☆☆☆ 〜★★☆☆☆
難易度★★☆☆☆
軟骨を削る、出す事はパターンAと同様。その時に向きをコントロールする為の軟骨の乗せ方や削り方のデザイン力が必要になる。
望変化が大きい場合は延長された鼻中隔から必要最低限に鼻翼軟骨を剥離して鼻翼軟骨の向きを変更する。鼻中隔と鼻翼軟骨の間にスペースが出来る為、わずかにリスクと難易度が増す。

パターンC ①×❺〜❻

リスク★☆☆☆☆
難易度★★☆☆☆

丁寧に皮膚を剥離して圧がかかっている部分軟骨のを削り、先が柔らかくなるように脂肪組織、軟骨膜、筋膜、人工真皮、破砕した耳軟骨のいずれかを乗せ直す。
軟骨が触れる、浮き出ている場合は大きな緊急性はなく、症状が出てから数ヶ月で皮膚を破って突き出てくるという可能性は低い。ただし、数年〜10数年放置するとそう言ったこともあり得る。プロテーゼなど人工物の場合はそのリスクは増えるが、軟骨組織の場合は皮膚とある程度馴染むのでリスクは低くなる。
鼻先が硬かったり、軟骨が浮き出てみえる場合はいくつかのステージによってリスクが分類可能です。


①形は浮き出ていないがなんとなく硬い
皮膚の状態は健全ですが元々皮膚が薄い人だと数年以内に軟骨が少し浮き出る可能性があります。


②軟骨の形が浮き出ている

皮膚の状態は問題なく、修正も容易です。ただ、形が気になってしまったり、顔のむくみの状態によっては形が浮き出て整形感が出てしまいます。希望があればいつでも修正可能です。


③常に白くなっていて皮膚が薄く感じる
実際に皮膚が薄くなっている事は稀ですが、皮膚に圧がかかっている状態です。数ヶ月様子を見る余裕はありますが、簡単な処置をして鼻先の軟骨をより柔らかい組織に置き換える事を検討した方が良いと思われます。


④マスクなどの擦れがなくても常に皮膚が赤い
皮膚が圧に耐えられず炎症を起こしかけているので、早い対応が必要です。
軟骨の圧を減らし、皮膚の厚みを脂肪組織などで補えば比較的容易に修正可能です。
鼻先の硬さや軟骨の輪郭に関しては、鼻先のシャープさと自然さという相反するもののバランスを取る必要があります。鼻先の柔らかさを重視しすぎると鼻先のシャープさが失われ、シャープさを重視すると柔らかさが失われます。ただ、いずれの場合も微調整は可能で、大きなリスクはございません。


※他院修正の相談でご来院されるお客様の話を聞くと、緊急性がない状態であるのに必要以上に『皮膚を破りそう、壊死しそう』などと不安を煽って手術契約を急かさせたり、低額ローリスクで済む手術なのに、大掛かりな手術が必要だと説明され高額ハイリスクのオペに誘導するクリニックもあるそうです。当院では現在の状態を正確に診断し、必要以上の不安、リスク、コストをかけない方法で安全に修正手術のプランを提案させて頂きます。

パターンD ①×❼(鼻の曲がり)延長された鼻中隔軟骨を外さない場合

リスク★☆☆☆☆
難易度★★☆☆☆


鼻中隔軟骨部分を外さずに上に乗っている軟骨削ったり乗せ直したりする事で曲がりを改善できます。また、曲がっている方向と逆方向の鼻の組織を一部除去して、延長された鼻中隔軟骨をそのスペースに縫い直す事で根本から曲がりを改善する事が出来ます。

パターンD+ ①×❼´延長された鼻中隔軟骨を外す場合

リスク★★★☆☆
難易度★★★☆☆

上記の方法で改善が見込めない場合、鼻中隔軟骨を一度取り外し、より曲がらないポジションに固定し直します。その際に延長用の鼻中隔軟骨を加工したり、元々の鼻中隔に曲がりがある場合は曲がりが強い部分の鼻中隔軟骨を一部くり抜いたりします。
操作範囲が多くなる為に鼻中隔軟骨周辺に一時的にスペースが生まれ、雑菌や血液が拡がり得るスペースが増えるため、一般的な鼻中隔延長波のリスクが増えます。

パターンE ①×❽

リスク★☆☆☆☆
難易度★★★☆☆


太さの原因となっている瘢痕組織、鼻翼軟骨、鼻骨を除去します。何が原因で鼻が太くなっているかは触診で判断します。鼻先の高さが足りない場合は軟骨を足します。高さ以外にも立体デザインの問題で細く見えない場合もあるのでその場合は余分な組織の引き算と軟骨の足し算を、より鼻がシャープに見えるデザインで行います。

パターンF①×❾ 鼻中隔軟骨が残っていていて、鼻の土台が瘢痕組織で成り立っている場合

リスク★★★☆☆
難易度★★★☆☆


鼻中隔軟骨周辺で感染を起こしたが、鼻中隔の移植軟骨を除去せずに洗浄によって改善した場合、残された鼻中隔軟骨は瘢痕組織と一体化して土台を形成しています。この瘢痕組織は、未整形の鼻よりも強い支持力を与えるので、この土台を活かして軟骨を乗せ安い場合が多いです。この瘢痕組織の土台を除去して新しく鼻中隔を移植する方がリスクが高いので、安全に使用できるものは使用する方法を選択します。

パターンF+ 鼻中隔軟骨が溶けていて、鼻の土台がない場合

リスク★★★☆☆
難易度★★★★☆


延長された鼻中隔軟骨や、元々の鼻中隔軟骨がない場合は、鼻の土台の支持力が弱いので、新しく鼻中隔軟骨を再建する必要があります。元々の鼻中隔軟骨が維持されてる場合はその周囲の瘢痕組織を除去して通常の鼻中隔延長のように鼻中隔を軟骨で建て直します。鼻中隔軟骨が破損している場合は鼻骨周辺の深い鼻中隔軟骨を同定して3cm以上ある肋軟骨やヒト保存軟骨を使用します。鼻中隔がくり抜かれている場合や、ほとんどない場合は前鼻棘や篩骨垂直板に肋軟骨2本を『人の字』の様に支えになるように移植し鼻中隔軟骨を再建します。

②延長なしまたは延長してあるけど弱い延長

G ②×❶

リスク★★☆☆☆
難易度★★☆☆☆


軟骨を乗せただけで高さが出なかった場合は、単純に軟骨の量や乗せ方が適切出なかった場合もございますが、土台である鼻中隔軟骨〜鼻翼軟骨内側脚の強度が弱い場合が多いです。鼻中隔延長をしていない場合はその土台からやり直す事が多いですが、その部分に手を加えてなければ鼻中隔周辺は瘢痕組織などはないので通常の初回手術と比べて大きなリスク増加はございません。

H ②×❷

リスク★☆☆☆☆
難易度★★☆☆☆


先端の軟骨を加工または除去します。固く瘢痕形成した鼻を処理するのは一定の経験と技術が必要ですが、それがあれば大きなリスクはございません。適度な加減が必要で、低くなりすぎたり、瘢痕組織を増やして太くなってしまうリスクがあるので、
Over Surgery(過大侵襲手術)にならないよう気をつける必要がございます。

I ②×❸、❹

リスク★★☆☆☆〜★★★☆☆
難易度★★★☆☆


主にGパターンと同じですが、鼻先の向きをコントロールする為の軟骨移植のテクニックが必要とされます。鼻中隔を建てるまでは比較的容易ですが、鼻翼軟骨が周辺組織と強く癒着している場合はその癒着を剥がして鼻翼軟骨の可動性を高める作業が必要となります。その時に軟骨を温存し、鼻腔内に穴が開かないやつに膜を僅かに残した繊細なコントロールが必要となります。経験と技術があればカバーできる問題で、不可抗力のリスクはさほど大きくはございません。

J ②×❺ 、②×❻

リスク★★★☆☆
難易度★★☆☆☆


鼻中隔延長をせずに軟骨が浮き出ている場合は稀ですが、元々皮膚が薄い方や、軟骨ではなくL型プロテーゼや人工物のオステオポール(オステオポア)などが入っている場合もあります。
その場合皮膚を損傷しないように丁寧に皮膚と軟骨または人工物の間を剥がします。それでも皮膚が薄くなってしまっている場合は直組織(筋膜、軟骨膜、軟部組織のいずれか)または人工真皮を用いて皮膚を補強すれば問題なく皮膚が保たれます。
軟骨や人工物を除去するだけなら容易ですが、それを除去した上で、鼻先の柔らかさを保った上で同じ形を再建するのは技術が必要です。軟骨や軟部組織を最適な比率で使い分けて鼻先を形成します。鼻中隔延長を必要としない場合が多いです。

K ②×❼

リスク★★★☆☆
難易度★★☆☆☆〜★★★★☆


鼻中隔が大きく曲がっておらず、乗せている軟骨が原因の場合は手術は比較的容易で、先端の移植物の再形成で済みます。鼻中隔自体が大きく曲がっている場合は斜鼻修正の手術が必要となります。軟骨性の斜鼻は鼻中隔軟骨を一部加工するか、大部分を外して、真っ直ぐな肋軟骨や保存軟骨で再建し治します。移植する軟骨が多くなり、術野が拡大するので、一般的な鼻形成よりは血腫や雑菌感染、癒着による変形のリスクがでてきます。

L②×❽

リスク★★☆☆☆
難易度★★★☆☆


太くなる原因としては鼻中隔の土台としての強さが足りず軟骨が沈んだ、血腫ができてそれが瘢痕組織となり余分な組織が増えた、術後の圧迫が不十分で瘢痕組織が増えたなどの理由があります。
鼻中隔を立て直したり、増殖してしまった瘢痕組織を除去する事でスッキリとした鼻にする事ができます。瘢痕組織は全てを除去する事は難しく、とり過ぎると正常皮膚が損傷して凹んだりします。なのである程度安全な範囲で瘢痕除去を行う必要があります。万が一皮膚の凹みが出た場合は後日脂肪注入や脂肪または軟部組織移植で治療は可能です。

パターンM②×❾

リスク★★★☆☆〜★★★★★
難易度★★★★☆〜★★★★★


感染は割とメジャーな合併症であり、他院修正を当院でもよく担当しております。感染後の拘縮の度合いにより難易度は左右されます。そこまで大きな拘縮がなく、皮膚がまだ残っている場合は割と容易に再建する事ができます。皮膚が著しく欠損している場合は、皮膚の再生を促す為に、幹細胞注入などを行い、手術に耐えられる皮膚に戻します。その1〜3ヶ月後に皮膚の進展性が増えた事を確認してから再建の手術を行います。それでも皮膚が足りない場合は皮膚移植を行います。
たまたま運悪く感染した場合や手術や術後のコンプライアンスに問題があった場合は、再手術でうまく行く場合が多いです。しかし、もともと細菌感染しやすい体質(鼻腔内に雑菌が多い体質、免疫の弱い体質)出会ったり、MRSAなどの強い雑菌が皮膚にいる体質であった場合、どんなに丁寧に手術と管理を行なっても一定のリスクがつきまとうので、綿密な手術計画が必要となります。

鼻の修正手術はeクリニックへ

当院では鼻の修正手術を豊富に行っております。金沢と富山に全国からお越しいただいております。高難度の修正手術にも対応していますので是非一度ご相談ください。

eクリニックは金沢本院をはじめ、全国展開しています。ご予約はお近くのeクリニックまで。

このコラムに関連する施術&料金

▶▶鼻尖形成手術

▶▶鼻中隔延長手術

▶▶軟骨移植

▶▶鼻柱下降術

▶▶プロテーゼ



このページの監修医師

医師

円戸 望

経歴

・富山大学医学部医学科卒
・高岡市民病院(形成外科・麻酔科・皮膚科)
・Fort Wayne Parkview 病院
・厚生連高岡病院
・金沢医科大学付属病院
・湘南美容クリニック新宿本院
・湘南美容クリニック新宿南口院
・湘南美容クリニック新潟院 院長就任
・湘南美容クリニック金沢院 院長就任
・2020年eクリニック金沢院開院
・大手美容クリニック修正手術技術指導医
・2021年eスキンクリニック開院
・2022年富山院開院
・2023年まぶたのクリニック開院(保険診療)
・2023年大阪院、東京院、名古屋院、岡山院、
     福岡院、那覇院、横浜みなとみらい院開院

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